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私、キレまして…
森澤一郎
 昨日ですね、家内と喧嘩しまして……。何かって言うと、お風呂場に所狭しと、いろんなシャンプーとかがありまして、一番奥に塩素が入っている、なんか知んないけど、ちょっと、不安定な桶がありましてね。
 たまたま、風呂の蓋を開けたら、そこにぶつかっちゃったら、全部、落ちちゃったんです。で、黙ってやりゃよかったんだけど、「なんだ、こりゃ!」って話になって、家内に怒鳴っちゃったんですね。
 それで、「前も言ったろう!」って話になって、前も確か、こう……、「整理した方がいいよね」ぐらいで、すごく優しい言葉で言っていたんですけど、全然、片付いていなかったもんだから、すごく怒ったんですね。
 そしたら、「自分で、さっさと、やりゃいいじゃないか!」みたいなことがきたから、“売り言葉に買い言葉”になりまして、大変なことになりましてね。大変、機嫌が悪いわけですよ、奥さん。

 それで、自分は二階へ行ったんですけど、“ピンポン”って鳴りまして、「沸いたようだから、お風呂、入んないの?」って言ったら、わりとうちの奥さんは元気がいい奥さんですけど、“フンっ!”って、感じでもないんですよ。
 “しおー”っとしているから、すごく気になっちゃったんで、うんと心を決めて、下へ降りて、「さっきは悪かったな」って、謝りました。
 謝ったら、少し機嫌がよくなって、“あっ、これは機嫌を直してくれたな”と思ったんですけども、やっぱり、難しいですね。なかなかね……。でもね、自分は反省したんですよね。そういう片づけたいところがあったらね、“よく話しあってやれば、よかったな”って思いました。
 本当に身近な話で申し訳ないんですけど、そういうことしか、私、気がつくとこがないんだけど……。でもね、一個ずつ、気がつくことの積み重ねが、やっぱり、大事だって。まわりからも、よく言われているんで、“少し成長して、また、落ちて、成長して”って、落ちることがあるんです。

 やっぱり、“波”ですよね。思うんですけど、機嫌がいい時、自分はわりと気分屋なもんですから、自分のやりたいことが上手くいくと、自画自賛しちゃっていることがありましてね。それは、ブレーキをかけなくちゃいけないんでしょうけど、そういうことをやっていましたからね。
 でも、そういうふうなところを、やっぱり、お経っていうのは正してくれる、可能性が十分、ありますよね。私は正してくれると思っていて、この頃、朝夕はさせてもらっていますけど、でも、喧嘩すんですね。それで、“一つ、成長する”ということがわかりました。以上です。
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