うちの息子が久しぶりに大阪の、僕の嫁さんの実家に里帰りしまして、2日ぐらい居たんです。だけど、その間、嫁さんの父親と母親、息子にとってはおじいちゃん、おばあちゃんがしょっちゅう喧嘩をしていたらしいんです。
でも、喧嘩のようすを見ていると、まるで彼自身(=息子)と僕の嫁さんとの喧嘩にそっくりらしいんですね。で、どうもようすを見ていると、彼にとってのおばあちゃんの性格と僕の嫁さんの性格がちょっと似てるところがあって、おじいちゃんの性格と彼自身の性格が似てるところがあって。
そこにどうも、ひっかかっている部分があって、それがトラブルの元になって、言い争いが起こるらしいんです。朝から晩まで、ずっーと喧嘩しているようす見て、最初は心配していたんだけど、段々と滑稽に思えてきて、“なんかどうでもいいことで喧嘩してるなぁ”と、「なんか笑えてきた」って言うんですね。
彼自身は僕の嫁さんと毎日、真剣に喧嘩していたんですよ。ところがね、おじいちゃん、おばあちゃんの喧嘩をしている姿を見ると“そんなに、真剣に喧嘩する話でもないな”とつくづく実感できたそうなんですね。
で、“バカバカしいことで喧嘩しているな”と思って、“どこでひっかかって喧嘩しているのかもよく見えてきた”っていうことで、結局、自分が“僕の嫁さんに対して、腹が立っている部分もそんなに腹立つことでもない”と思って、非常に、「冷めた目で見直すことができた」と言うんですね。
それで、息子は帰って来てからずいぶんと変わりまして、あんまりケンカしなくなったんですよ。僕の嫁さんに対して、ずいぶん優しくなりました。
それはやっぱり、彼自身が自分の姿をおじいちゃんに重ね合わせて、客観的に見られたので、いかにバカげたことで喧嘩しているかってことも客観的に気づくことができたんですね。
それから“やっぱり、それじゃダメなんだ”と気づいて、“もうちょっと、優しくしなくちゃいけない。理解をしめさなくちゃいけない”っていうことも気づいて、ずいぶん変わりました。
だから、“先祖”というのは見えないですけど、たまたま、彼の場合は先祖が生きてましたんで、身をもって先祖の因縁を自分で解決できたみたいな、そういう体験を彼自身がしてくれたので“良かったかなぁ!”と。