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たくさんの応援
谷口理恵子
 私も四人、子どもがおりまして、一番下の息子が今年の四月から大学生になりまして、上のお兄ちゃん、お姉ちゃんの二人には「“総戒名”を持って行ってね」って言って、一人暮らしをする時に持たせて、「お水を替えてね」とかって言ったんです。
 だけど、下の二人は“まぁ、それを見て、どう感じるかなぁ”と思って、“私から、あんまり、何かを言うのはやめよう”って。そしたら、その息子が家を出るちょっと前の日、三日ぐらい前かなぁ、「お母さん、僕にあの“お札”を作ってくれないの?」って言って、“お札”ってなんだ? と思っていたら、「お兄ちゃんたちも持っていった“お札”だよ」と。
 まぁ、“総戒名”っていう名前を知らないものですから。で、「あー、持って行く?」って言ったら、「うん、持って行く」って。「それを書いているところを僕は見てみたい」と言って、私が“総戒名”を書いているところを見て、「ほー! 大したもんだねぇ」とか言われて、随分、私の母親としての株も上がったんです。
 それで“総戒名”を見て、「僕には、たくさん応援してくれる先祖さんがいるんだな」っていうことを、ポソっと言ってくれました。

 その子がですねぇ、今回、「七面山(祖師久保角太郎宝塔参拝 身延・七面山登山修行)」に行かせてもらって、今年、本当に、“人生でこんなことがあるのか?”っていうぐらいアレなんですけど、四人の子どもが一緒に七面山に行ってくれることになりまして、家族六人で行きました。
 その時にちょっと、私が本当に苦しくなっちゃって、もう、どうにも、“途中で下山しなきゃいけないかな”って思った時に、後で長女が私の腰紐を持ち、一番前で長男が手を振り、真ん中で次女が合図をし、その一番下の息子が「お母さん、おんなじ登るなら、楽しんで登ろうよ」って。「絶対、大丈夫だよ」っていう言葉を言ってくれて、登らせてもらったんですけども、“子どもたちがこんなに頼もしくなるのかな”って。で、それを見た時に、主人に感謝する気持ちが本当に湧いて……。
 今までなかったわけじゃないんですけども、すごく湧いてきて、“この人と出会って、この四人の子どもに出会えたからこそ、この今のしあわせがあるんだなぁ”っていうことを、私も感じさせていただきました。

 今日、在家仏教こころの会になって、初めて司会という大役をいただきまして、娘に「お母さん、司会をするのよ」っていうことで、いろいろ説明をしてきたんですけども、その娘が「私は、お母さんとお父さんの娘に生まれてきて、本当に良かったと思う」って。
 「本当に、いろんなことがあったけども、私は七面山に登ってからずっと、いろいろと考えていたけど、この“自分”を楽しんで生きることにした」って。
 そういうことを言ってくれて、「だから お母さんも、今日、久しぶりの司会、楽しんできて!」って言われました!
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