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今みんなの“おかげさま”で
井吉ヤス子
 初めて、この(ZOOMを使った)『聞く 語る』WAKUWAKUのつどいに参加させてもらったんですけどね、嬉しいなと思ったのが、今までお顔は知っているけど、こうして、直に話したことがない人と話しあうことができたこと。このWAKUWAKUのつどいに、今日、参加して良かったなって。
 私は、自分がかつて思いもしなかったような病気をいくつも重ねて、今、 生きて、初めて気がついた。“人って、凄いなぁ。人って、素晴らしいな”と、しみじみ、わかった1年間でした。
 病気し、手術し、今もリハビリに通っているんですけどね、“あの人、苦手やな”とか思う人が、なにがしか、みんな、あるんじゃないですか。私も多々あったんですよね。そうしたら、私は一番、大事なことに気がついたんです。“あなたは、あの人のどこまで知ってるの? 何パーセント知ってるの?”って。“ちょっとしか知らないところで、あなたはその人を見て、感じて、思ってるんじゃないですか?” って。
 自分自身が人との関わりあいの中で、看護師さんや先生とのやりとりとかで感じた時に、私はなんか、自分がもう、ホント、ひとつ明るくなったような感じがしたんですよね。私はあの人の30パーセントぐらいしか知っていないのに、70パーセントの中に、あの人の素晴らしいものがいっぱいあるのに、それだけで判断している私は間違っていたなって、気がついたんですよね。
 私はいろいろな病気を背負っていますけど、今、とても楽しいんです。人と話しあうこととか、今みんなの“おかげさま”で生きている。人の手を借りながらですね。最初はね、そうなった自分が“わー、疎ましい。どうして、この足が動かないのかしら”とか思ったんです。だけど、今はこのおかげで、あの人の手を借りて、あの人とこういう話ができたって。自分の“こころ”の向きをカチャッと変えたことで、人生が変わってきたっていうんか、今、とってもしあわせです。
 また、今日、それこそ、海外の人とか、全然知らない人の話とかをこの場所(自分の家)で、お顔を見ながら聞けたことが、今日、とても、いい1日になりました。私はね、1日、1日をとても大切に、今は生きています。“今日もがんばれて、良かった。生きてて、良かった。お父さん、お母さん、ありがとう”って。今日はみなさんに出会って、しあわせ。今日もしあわせでした。ありがとう。
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