読む
Vol.116
こころ菌
坂本和可子さん
 私の主人は5年前に脳梗塞をやりまして、言語の……、言葉の方がでないんですわ。で、右半身がダメで……。だけど、克児先生(故久保克児副会長)が出してくださった本・「こころ菌」をね、あれ、絵本みたいになっているでしょう。あれを、私は(主人に)見せたの。それで、一所懸命、読んでやったの。一つずつ、手を送りながらね。
 そうしたら、主人も手をこうやって、「うんうん、うんうん」って、聞いてくれるんだよね。で、3~4ページ読んだかな。そしたら、すごい、いい顔になって、“あっ! これだ!”と思ってね。
 私、今まで、お経をさ、「南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経」と書いて、「お父さん、これ言って、これ書いて」って。言えんにしても、「書いて」とか、やろうかな!?と思ったんだけど、“お父さん、あんまり好きじゃないからなぁ”と思って……。でも、本が出た瞬間に、私、たまたま、持って歩いとったのね。
 で、主人の所に行って、「お父さん、ちょっと。この本、綺麗でしょう」って言ったら、本当に綺麗なのね。あの絵はね。「絵がいいんだわ。絵が」とか言ってさ。ほんで、こう、一つずつ読んでいったら、「うん、うん」って、聞いていてくれてね。「じゃ、お父さん、また明日か明後日、来るからね。その時、また続きを読もうね」って言ったら、「うん!」って言ったからさ。“あっ、これはいい”と思って、ちょっと続けさせていただこうかなと。本当に、もう、ねぇ。年齢的には、70過ぎで、二人はあれだけど、子どもにかえったみたいで……。
 でも、“絵本を読んでいるみたいに、もうちょっと、ゆっくり読む練習をせないかんかな”と思って……。私はサササと読んじゃったから、“あっ、これはダメだな”と思って、克児先生みたいに、ゆっくりと優しく。優しく言えるかどうか分からないけど、言うように努力して、これを続けさせていただこうかなと思って。
 あのう、さっき、言われていたみたいに「すごい、いい本!」と思って、あの色が! ほんだからね、私ね、もうー! って、自分が興奮しちゃっとったんだけど、お父さんも一所懸命、興奮してくれて、すごい、嬉しい1日でしたので、これからも続けさせていただきます。