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Vol.90
“楽しく”生きる
深川 峰生さん
 26年前、子どもが生まれた時、「クレチン症」の疑いがあって、「脳に栄養がいかなくて、知恵おくれになるかもしれない」と言われて本当に心配しました。だけど、検査をしてみると何ともありませんでした。
 で、6年ぐらい前に、地域で役立つことをしようということで、知的障がい者の方のボランティアをしました。最初はホームでゲームをしたりして遊んでいたんですが、その内に外出支援をやってほしいということで、僕と同じ年で、ラーメンとお酒が大好きな障がい者の方と一緒にいろいろな所に遊びに行きました。
 その時に、うちの息子のことを思い出したんです。ひょっとしたら息子も同じような立場でいたかもわからない。“そうでなくて良かった”って、それで良いんだろうか? と。その時はボランティアだったんですけど、“もっとたくさんの人たちと関わりたいな”と思ったんです。
 それで転職して、知的障がい者のグループホームに勤めるようになりました。30人近くの障がいをもった人たちと接するようになって、周りの人には「大変な仕事でしょう」と言われるんですけど、みんな違う性格なので、その人たちと関わっていると、すごく楽しいんです。
 僕の周りには、すぐ怒る人が結構いるんです。僕も最初は怒っていたんだけど、“みんな、障がいをもっている”っていう頭で考えると、怒れないんです。
 “こいつ、エエカッコしいでウソばっかこきよって”っていうヤツでも、それも一つの障がい。“アノ人だけに媚を売って、コイツにはツンケンしよる”ってヤツでも、それも一つの障がい。僕も含めて、みんなが障がいをもっているって考えると、すごく楽(ラク)になったんです。